kumorinekoの雑記

東京在住、とりあえず始めます。

【実体験】雪山で体験した不思議な話1

こんばんわ。

 

一時期、スノーボードにハマってました。

最終的に所謂『リゾートバイト』に行ってしまいました。

リゾートバイトに行く数年前、アルバイト仲間で週1ペースで長野や新潟のスキー場に格安バスツアーでよく滑りに行っていた時、格安の宿で不思議な体験をしました。

大した体験では無いのですが、今もはっきり覚えています。

 

 

宿での夜

当時スノボーにハマりまくってた私は、道具も一式揃え、アルバイト仲間と1週間〜2週間に1回は雪山に1泊2日旅行をしていた。

バスの往復代、リフト代、2食付きの宿代含めて確か1万円ちょっとの格安ツアーだった。20歳前半だったと思うので、もう15年〜20年以上前になる。

 

その日もアルバイト仲間男4人(ちなみに全員同じ歳)と、深夜出発の夜行バスに乗る為池袋に向かった。

今はわからないがこの当時は深夜に東京を出発後、時間調整をしながら現地スキー場には大体朝の6時頃に到着していた。

スキー場のオープンは8時。大きな休憩所スペースでオープンまで待機し、ロッカーも併設しているので開場と同時に滑りに行けるのだ。

大まかなスケジュールはまず朝から滑り、昼休憩を挟んで一旦スキー場がクローズする17時いっぱいまで滑り、宿にチェックイン後軽くゆっくりして夕食、その後20時か21時くらいまでナイターに繰り出すというものだった。あの頃は若かった。

 

例によってその時もナイターを滑り終わり、宿に戻って流石にヘトヘト。ブーツを脱ぐ瞬間に一番開放感を感じていた。

軽く買い出ししてあった酒を飲みながら、談笑。

宿は格安ツアーならではというか、ちゃんとしたホテルではなく古びた民宿。ただご飯は美味しいし、従業員も気さくな感じ。充分だった。

 

与えられた部屋の間取りは全部で8畳か10畳ほどのワンルームタイプだったと思う。古くはあるが、あくまで目的はスノボーだ。問題ない。

冗談半分で、飾られていたタペストリー(?)の裏にお札が無いか確認するのはいつものご愛嬌だ。

やがて自分達で布団を敷き、4人で川の字になる。時間は23時を過ぎていた頃か。

クタクタだったので、電気を消してそのまま皆自然に寝てしまうかと思ったが、ここで誰かが言った。

 

「ねえ、怖い話しない?」

 

……小学生か。

「あれさ、クラスに好きな奴いる?」と同じトーンでそんな事を言い出した。

「え、まじかよ、無理無理……それが実はね……」「あるんかーい」というノリで、男4人川の字で急に怖い話が始まった。

 

私以外3人の中に、霊感が強いというMがいた。

どれくらい時間が経っていただろうか。有る事無い事、またはどこかで聞いた事がある様な話など、一通り全員何となく話が終わって沈黙が訪れた時にそのMが言った。

 

「あれさ、こういう話してるとさ、幽霊って寄ってくるって言うよな」

 

「おいおいやめろよ」「いるわけねーじゃん、そんなの」「え?何?今いるの?ここに」皆それぞれ声を出す。

 

「あー、言うのやめようと思ったけど、さっきまで実はいた……見た」

 

Mの真剣な口調に、またしても沈黙が訪れた。

雪は降っていたが、部屋の中には暖房の音しか聞こえなかった。