防災頭巾という存在
お題「地元では当たり前のものなのに、実は全国区ではなかったものってありますか?」
こんにちわ。
こちらのお題の答えは『防災頭巾』。地元静岡では当たり前だったし、静岡ローカルなんだと認識すら無かった。テレビかなんかで見た気がするが、今もそうなのだろうか。
物心ついた頃から、「あたしの親の代から言われ続けているよ」と私の両親も大きな地震が来るぞ、来るぞと言われている地域だ。
来たら来たでそん時はそん時、と半ば諦めムード。何しろ大地震が起きた場合誘発の可能性のある富士の山が噴火したら、私の実家は庭の小さな小石ごと溶岩に持っていかれるだろう。
文字通り命をかけて噴火の一部始終を撮影したら、世界中のマスコミが映像を買いにくるに違いない、程よい距離に実家はある。
静岡県は全国的に見ても地震対策に力を入れている為、昔から避難訓練も定期的にあった。普段木の椅子のクッションとして敷いている防災頭巾を頭に被り、全校生徒がグラウンドに秩序を守って集合する。
退屈な授業がサボれてラッキー、なんて思っていたはずだ。
そのお陰か私の実家の地域である大きな地震があった時に、怪我人が1人しかいないという素晴らしい実績を残した。人口は10数万人だ。これはきっと、普段の訓練の賜物に違いない。
と、思いたい。
小学校の頃に防災頭巾を被ってグラウンドに集合したあの経験が、脳裏に焼き付いているのだと。
その地震があった数時間後、直後には繋がらなかった電話に家族から着信があった。一応安否の確認の為電話をしていたのだ。
「大丈夫大丈夫……、電話わざわざありがとう」
何となく歯切れが悪い。
どうした?と聞くと、
「実はおばあちゃんが怪我しちゃってね、念の為救急車で……」
『怪我人の1人』がまさかの身内(ちなみに軽症)。
地震も起きていないのに足が震えた。