スポーツで1番熱狂した瞬間
こんにちは。
WBCが盛り上がっているが、スポーツに興味ない人には連日のメディアの報道にうんざりしているだろう。
私自身は学生時代は運動部に所属し汗を流し、スポーツ鑑賞も広く浅くではあるが色々観ている口だ。
では今まで観ていた中でテレビの前で1番熱狂した場面は何だったのか。
ちなみに2009年WBC決勝戦はリアルタイムで観ていて、韓国代表が9回に同点に追いついた時「あぁ……これは負ける流れだな」と何故か風呂に入りに行き、上がった時には日本に2点が入っていたという失態を犯している。つまり(特に野球ファンの間で)日本史上スポーツの駆使の名シーンと言われるイチローのセンター前ヒットを目の前で見逃している。
思い起こしてみるとマイベスト熱狂シーンは、
1997年『K-1 KINGS』における佐竹雅昭VSマイク・ベルナルド戦、佐竹雅昭のハイキックからの連続後ろ回し蹴りがベルナルドの顔面にヒットした瞬間だ。
今の若い人は信じられないかもしれないが、90年代後半から2000年代前半にかけて大格闘技ブームが起こった。
全盛期は大晦日に民放3局で異なる格闘技イベントを大々的に放送し、観ている側は各イベントの自分が見たい試合に合わせザッピングが忙しかったのは良い思い出だ。
当時K-1は飛ぶ鳥を落とす勢いで人気を獲得し、世界中のヘビー級の屈強なキックボクサー達が日本に集まって熱い試合を繰り広げていた。
その中において日本人のエースとして海外の化け物と試合をしていたのが佐竹雅昭選手だった。
今思えば同じ土俵に立てていた事自体が凄かったと思うが、他の外国人選手に比べるとどうしても見劣りしてしまい、どこか「どーせまた負けるんでしょ」的な空気があった。
相手はK-1において屈指のハードパンチャーとして知られたマイク・ベルナルド選手。恐らく多くの人が早い段階でワンパンKOだと思っていたはずだ。
佐竹選手は積極性に欠ける試合と言われていた当時の姿勢を改善しようと最初からガンガン飛ばしていった。ベルナルド選手は上手く捌きながらやや余裕気味に試合を進める。
「やっぱり格が違うなぁ」と思っていたその時だった。
コーナーに追い詰められた佐竹選手が放った右ハイキックを躱すベルナルド選手、その瞬間グルッと回転し追撃の回し蹴りがベルナルド選手の顔面にヒット!
「うおおおおおおおおおお!」とテレビの前で叫ぶ。
画面の中の会場も割れんばかりの歓声。
勝てるかもしれない!勝てるかもしれないベルナルドに!と大盛り上がり。
グラつくベルナルド選手。ダウンはせず堪えるも、佐竹選手が追撃のワン・ツー!
いけるいける!
解説の石井館長も叫ぶ。
しかしその後は佐竹選手の猛追を振り切り、最後はベルナルド選手貫禄の右フックでK.O。
という試合だった。
何だかんだ、みんな佐竹選手を応援していたのだ。
小兵力士が大柄外国人力士を倒すのと同じ構図がそこにあった。
後にも先にもあんなに叫んだ瞬間は思い付かない。
あの頃の格闘技は同じように熱狂できる試合が何度もテレビで楽しめた。
ところでおじさんになると「あの頃は〜」と言いがちだが、それはきっと自分自身が積極的に熱狂できる事に遠ざかっているからではないだろうか。
若い頃の様に熱狂できる事は探せばきっとある。