あれだけスポーツ観戦が嫌いだった妻がWBCきっかけで変わった話
こんにちは。
私は割とスポーツに関心がある方だ。
中・高と運動部に所属していて、体を動かす事も嫌いじゃないからとも言える。
野球、サッカー、テニス、ゴルフ、陸上、格闘技などなど、そしてオリンピックで例えば民放でピックアップされて放送されるものは細かいルールが分からなくても観てしまう。
だがそれぞれにおいて熱狂的ではなく、基本的なルールや楽しみ方以外の深いところまでは知らない。チームにおいて、個人に対して、特に贔屓している誰かなどはいない。
そして妻はスポーツに全然関心が無い。
いや、今にしてみれば『無かった』。
というのも、これは今年は特に増えたと思うが、あの『WBC』でプロ野球に興味を持ち始めたのだ。ちなみに野球自体は一定の割合で存在する「プロ野球は観ないけど高校野球はなんか好き」という人種だったので、ルールなどはある程度把握している。
が、テレビで私が野球にするとどこか不機嫌になり「まぁ、観ていいいよ」と言いながらそっぽを向き携帯で動画を観るのが常で、途中で観戦を止めこぼれ落ちた不機嫌を拾ってバラエティに切り替えたりするのが日常だった。
しかし『WBC』における漫画を超えたあの物語が、1人のスポーツ嫌いを変えた。
相変わらず他のスポーツには目もくれないが、関東で放送される野球の試合があるとチャンネルを合わせ、熱心に一喜一憂する様になった。
プロ野球速報もチェックする様になってしまった。
すっかり『WBC』に夢中になったお陰で各チームの代表的な選手を覚え「このチームには誰がいるね」という具合にどんどんハマっていった。「この選手イケメンじゃね?」とキッカケは何でも良い。一緒にあの毛嫌いしていたスポーツでワイワイ観戦できるのが嬉しく思う。
挙げ句の果てには今年に入って3回も関東の球場に足を運んで試合を生観戦するまでになった(過去数年前に1回だけ観にいった事がある程度だった)。
私が今年ベイスターズを応援している事もあって(毎年変わる)、ベイスターズ各選手の応援歌も大体歌えるまでになってしまっている(私は1人2人なら何とかわかるレベル)。女性はきっと一旦火が点くとこういうのが早い気がする。
今では各球場の所謂『球場メシ』が気になって、少なくとも関東近郊の球場は全部行ってみたい!と目が輝いている。瞳の奥には選手や野球ではなく各所の食べ物が見えている気がするが、そう、キッカケは何でも良い。
ちなみに大声で語れる程の経験値はないが、生スポーツ観戦における臨場感と雰囲気は格別なものがある。野球に限らないと思うが、ただ観戦するのならテレビの方が圧倒的に観やすいのにわざわざお金を払って足を運ぶ価値は良い意味で対価に見合わない。
この勢いでまもなく始まる『世界陸上』も一緒に観れないだろうかと目論んでいるが、先日「いやぁ、まさか野球がここまで好きになるとは思わなかった。これもしかして、陸上一緒に観てもハマるんじゃない?」とジャブを打ってみたが「いや、それはない、観るならひとりで観て」と高速で躱されると同時に重めのボディブローが腹に突き刺さっていた。
と、ここまで来て懸念はある。
妻はとにかく1度火が点くと燃えるのが早い。それはやがて業火となり、たまにチロチロ焚き火を長く楽しんでいる私にもその炎が燃え移って巻き込まれる事がある。だがその業火は多くの場合、薪に移って長く燃え続ける事は無い。
ふと目を離した隙に、火は消えている。そしていつ消火したのか判然としない。その火が再び点火するかは誰にも分からない。
今までもそうだった。
今現在は激しく燃えている巨大な炎に見えて、その実情は風前の灯なのかもしれない。
妻が私自身に関してそれほど燃えたかどうかは分からないが、今の所パチパチ音を立てながらその灯りは消えていない。
常に薪を焼べねばならない、という事だろうか。