東日本大震災当日の記憶1
こんにちは。
連日トルコで起こった地震のニュースが報道されている。
地震のニュースを見る度、日本で12年前に起こった東日本大震災の当日の映像を想起する。
電車の中
今でもよく覚えている。
私はその日、当時の職場だった中目黒に向かっていた。15時から夜中までのシフトだった為、いつもと同じ時間に家を出て、いつもと同じ時間の電車を乗り継ぎ、渋谷で乗り換えの為に東横線に乗ったのは震災の時間直前の14時46分発だったと思う。
当時は今の銀座線のホームが東横線のホームだった。
乗客はまばらだった。
発車してすぐ「緊急停車します」というアナウンスと共にギギギー!と電車が停車した。
緊急停車自体はままある事なので気にも止めて無かったが、その後のアナウンスは「センサーが地震を感知したため緊急停車いたします」という初めて聞く内容だった。
え?と思ったが、まだ揺れは無い。
すると間も無く、電車が左右に揺れ始めた。これは大きい。まばらな乗客も、少しザワザワし始める。個人的に地震には耐性がある方だが、体験した事ない揺れと窓越しに見た外の電柱がグラグラしているのを視認して、流石に構えた。
アナウンスが入る。
「電車の中は安全です。今しばらく中でお待ちください」
場所は渋谷駅を出発したばっかりだったので、渋谷駅と代官山駅の間だった。
待つしかない、と携帯を確認するがまだ何の情報も出ていなかった。頭の中には電車が止まってしまったので少し遅れますという連絡を電車の中でしていいものか、いや、ちょっとすれば動くだろう、大丈夫だ、という様な事を考えていた。
しかし5分経っても10分経っても動かない。前方の50代くらいの男性が、一緒にいた女性に地震の講釈を始めている。
最初は静かだった車内が、時間を追うごとにザワザワし始めてきた。
やはりこれは只事ではない、そう確信した。
代官山から歩く
この時確か、携帯電話が使えなくなっていたと思う。
職場に連絡もできず諦めて、ひたすら車内で待つしかなかった。
およそ1時間〜1時間半くらいか。「少し先の代官山駅まで電車を動かします」というアナウンスが入った。いつまでこの状態で缶詰にされるか不安ではあったので、少しホッとする。とりあえず降車はできそうだぞ、と。
ゆっくりゆっくり電車が動き出す。
普段なら一瞬だが、10分くらい掛け慎重に代官山駅にたどり着いた。
駅構内もそれなりに混乱していた。ただこの時駅にいた人は、まだ何が起こってるかよくわかっていなかったと思う。
職場の中目黒は代官山の隣なので、仕方なく歩いて向かう事にした。
続く