人生で1番古い記憶【お題参加】
こんにちは。
このお題を目にして、改めて考えてみる。
本当に微かに思い出せるのは幼稚園の頃。だから4、5歳なんだろうか。
でもかなり断片的で、お茶を点てる授業(?)があった事、お遊戯会みたいな催しで『金のガチョウ』という物語をやり、友達が主人公でステージの真ん中で踊っていた事、バスの運転手の顔など、本当に微かな記憶しかない。
実家に帰って古いアルバムを見る機会があったが、そこに納められている3歳頃の記憶は一才無い。
それ以降はどうか。
小学生低学年は、教室の雰囲気と担任の先生の顔、好きだった女の子の名前くらいか。
そういえば、小学校6年生の時に警察に補導された事は今も良く覚えている。
当時、友達とカブトムシ捕りに夢中になっていた。
田舎の山の方なので、ちょっとした森に行けばわんさかいたのだ。
どこで得た知識か深夜に森に向かう事になったその日、自転車で10分くらいかけて集合場所の通っている小学校の向かいにあるスーパーに向かった。時間は2時か3時。
今思えば、この時どうやって親を説得したのだろう。携帯電話なんて無い時代、恐らく学校で何時に小学校の向かいのスーパー集合ね、と口約束をしただけだったろう。
この時確か私を含め3人で会う約束になっていたはずだ。
が、1人とは無事合流できたが、もう1人は約束の時間に現れなかった。
そこで私ともう1人はとりあえず待つことにし、小学校に侵入し水場で喉を潤した。深夜の小学校に忍び込むことにワクワクしたのを覚えている。
スーパーの方に戻ろうと目をやると、警察官が自転車を調べているのが目に入った。
最初はあれ?っと思ったが、やばい、まずいという感情がだんだん押し寄せてきた。逃げるわけにはいかないので、そのまま近付く。警察官は私達を見つけると、
「これ(自転車)、君たちの?こんな深夜に何してるの?」
と聞かれ「あ、あの……カブトムシを探しに……」と言うのが精一杯だった。
名前と電話番号を聞かれ、そのまま各家に電話をされた。
……ん?
時は1991年か92年かその辺り。あの時、警察官はどうやって私や友達の家に電話をかけたのだろう。
と一瞬思ったが、既にあったんですね、それっぽいのはしっかり。
「今親御さんに確認取れたから、こんな深夜に歩き回ったら危ないよ」
と軽く叱られ、警察官が去った後「まぁ、とりあえず今日は解散するか」と私も友達も帰路についた。
カブトムシはその日探索しなかったし、来るはずだったもう1人がどうしていたかもわからない(多分寝ていただけだと思うが)。
家に帰ると、「深夜に警察から電話がかかって来たのなんて初めて、何かあったのかと思った」と母親に嗜められた。
……そう言われたのははっきり覚えているので、もしかしたら特に何も言わずに出て行った可能性が高い。
記憶というのは全くいい加減だ。
ただ、今こうして改めて昔の記憶を辿って書いてみると、書いている内にどんどん記憶が蘇ってくる。
何でもない日常の事は思い出せないのに、何故今まで経験したインパクトのある記憶はずっと頭の中に留まっているんだろう。
例えば80歳で人生を全うする時に、何気ない日常を思い出せる程の密度の濃い日々を過ごせるのだろうか。
あの時あったスーパーはコンビニに変わってしまった。