歩道を歩いている時後ろから……

こんにちは。

私はどちらかというと、温厚な方だと思う。

大概な事には本気で腹が立たないし、理不尽な扱いをされた人間に対して怒りよりも哀しさを感じてしまうからだ。

なので心底腹が立つという訳ではないが、歩道を歩いている時に自転車にチリンチリンされるのがどうにも嫌いだ。特に年配者に多い。

あいつらは、その歩道が私物かの様に平気な顔で「どけ、私が通る」といった面持ちでベルを鳴らす。いや待て、車道に行け。もしくは一旦自転車から降りて通れ。

多少広い歩道であるなら通り抜けも容易だし、自転車で通りたくなる気持ちもわかる。

だが狭い歩道でそれをやられるとそのチリンチリンという響きが一瞬で怒りの感情を呼び覚ます。

中には道を譲り自転車が通る際「すみません」と一言発したり頭を下げてくれる常識人もいるが、そういう人は普段は車道を走っているが仕方なくその時歩道に出てしまった人だと勝手に思っている。

大概はドヤ顔で「ようやくどいたか」くらいの表情で通り過ぎ、モーゼの様に人波をかき分けていく。

私はある時から、チリンチリンを無視して避けない事にした。

特に後ろから鳴らされている場合だ。少し醜いかもしれないが、あいつらに対する僅かな抵抗だ。「え？ここ歩道ですけど？車道行きなさい」と直接言う度胸がないのが悲しいところ。

これで今まで何か文句を言われたとかぶつけられたとかは１度も無いので「本当は間違っている」事を自覚しているのだろうか。

ちなみに妻も同じくらいそれが嫌いで、ベルが鳴りそいつが通り過ぎる時に「うっさいんじゃボケぇ！車道いけ！」と割と聞こえるくらいの音量で一言ぶちかます。

「俺もムカつくけど声が聞こえてそいつがやばいやつで何かされたらヤバいから声出すのは控えよ？」と何回宥めたことか。

「はぁ？悪い事してんの向こうなのになんで？」

というこちらに向いた怒りの矛先は無視できないし避けられない。