kumorinekoの雑記

東京在住、とりあえず始めます。

【初めての台湾旅行記④】1日目、足つぼマッサージ初体験【2023年5/14日現在】

1日目の締めは足裏マッサージへ

1日中歩いて足が悲鳴を上げていたのもあり、夜市からの帰りがてらホテル近くのマッサージ屋を探し行ってみる事にした。

私自信普通のマッサージもほとんど行った事は無く、足つぼマッサージたるものも初体験だった。台湾はマッサージも有名なので、余程気持ち良いんだろう、疲れが吹っ飛ぶのであろうと期待を膨らませていた。

 

ホテルから10分程歩いただろうか。

お目当ての看板が見えてきて、早速中に入る。特に予約をしていない事を何となく伝えて、大丈夫との事で入り口のソファで待機していた。奥がそのまま見えていて、何人かマッサージを受けていた。薄暗い照明にリラクゼーション的な音楽が静かに鳴っている。席は8つくらいだったか、横1列に並んでいる。

どうやら混んでいて1人はすぐ施術できるが、もう1人は10分後になってしまうらしい。

問題ないと了承すると、まずは私が受ける事にした。ズボンを履き替えますかと聞かれ、2人一緒に用意されていた物に奥の真っ暗な部屋で着替えた。

メニューは3種類くらいあったか。1番お手軽な足裏マッサージのみ40分をお願いし、料金は700ドル程だった。

 

調節機能のある革の椅子に案内され、妻の方はとりあえず席に座るだけの状態に。待っている間にとわざわざWi-Fiのパスワードを教えてくれた。

お茶のサービスがあった後早速私の方には足元にぬるめのお湯が入った大きめの甕が置かれ、塩の様な物を入れられた後両足を浸からせてもうしばらく待ってくれとなった。なんか……うん、気持ち良い気がする。隣を見ると常連っぽい人が携帯片手にリラックスしながらマッサージを受けている。クタクタに疲れているしきっとマッサージしている内にすぐに寝てしまうんだろうなぁと期待は膨らむばかり。

 

すぐに案内とは言われたが、15分後位に施術開始となる。何回か通り過ぎて気になっていた、そのまま格闘技の大会に出場できそうな筋骨隆々のお兄さんだった。

特にコミュニケーションを取る事もなく、いきなり施術が開始される。

なすがままに足を差し出す私。すると開始すぐ、激痛が足の指先に走る。必死に堪える私。足の指1本1本がめちゃくちゃ痛い。そりゃあ普段特に身体のケアなんてしてないし、実は悪い所なんていくらでもあるだろうが、それにしても痛い。

この時足つぼマッサージがどんなものか認識していなかったので、痛い時はちゃんと痛いと言って良いという当たり前のルールを知らなかったのだ。

というか「この程度で根を上げるの」と呆れられるのが嫌だという謎のいらないプライドが、声を出す事を躊躇わせた。後、何となく痛い=お兄さんが下手みたいに思われたら申し訳ないという気が余計に私の耐え忍ぶ心に火を灯した。よくバラエティ番組で芸人が大袈裟にリアクションしていると思っていたが、あれが本物だと身をもって分かった。

その後も同箇所を大体4ループ同じ動きをして、次の箇所に移るの繰り返し。その度に激痛に耐える。どうしても耐えられない時は逃げるように足の向きを変えたりしたが、無言でサッと戻される。

完全に目が覚めてしまった。額から脂汗が滲み出る。横で携帯をいじっている妻に目を見開いて「痛い、やばい、死ぬ」と無言でアピールするが、彼女の目は画面に夢中になっている。

 

施術は続く。

特に側頭部は痛かった。どれだけ身体が悪いんだ、というくらいもう全てが痛い。これを40分耐えるのか?今時間はどれくらいなんだ?慣れろ、痛みに慣れろと頭の中で反芻する。そうだ、別の事を考えようと気を紛らわす為に持ったお茶が小刻みに震えていた。

ようやく片方が終わり、軽くふくらはぎの方へとマッサージは移る。ここは足ツボに比べたら遥かにマシだった。ふーっと息を吐き出しながら、しかしもう片方あの時間が続くと思うと自然に笑えてきた。

ところで私の10分後と言っていたが妻の方はまだ始まる気配がなかった。

結局私の背術が終わる5分前位に女性のマッサージ師が現れ施術を開始したのだが、冒頭で「痛っ」と笑いながらリアクションをして調整をしながらやってくれていた。

え?それでいいんだ、と再び目を見開いた時には耐え凌ぐ時間は終わっていた。

 

激痛からの解放。

結局「イタ気持ち良い」と感じたのは右足の中指くらいだったか。我ながら声を出さずに最後までよく耐えた。最後にお茶のおかわりを持ってきてくれた。

特に何も言われなかったので、そのまま妻のマッサージが終わるまで椅子に座らせてもらった。「めちゃめちゃ痛くてマジでやばかった」と感想を言うと「え?うそ、めちゃめちゃ気持ち良いけど……」と妻は言った。

 

ホテルへの帰り道。

時間は午前0時をまわっていたと思う。

大通りに面した灯りの消えた商店街のアーケードを普通に歩いていたが、人もまばらでその時間でも危険な雰囲気は全くなかった。

ホテルに着くと「あー、なんか本当に足の疲れが無くなってる!凄い」と妻は言っていたが、私の足は小さな鬼の集団にボコボコに殴られた後の様な感触があった。

少しゆっくりした後しっかり湯船に浸かり、午前2時頃泥の様に眠った。

 

この日iPhoneに刻まれた歩数は37,152歩だった。

 

続く