タモリ倶楽部が終わってしまう
こんにちは。
たまたま先日こんな記事を投稿していただけに、タイミングが良すぎるというか何というか。
第一報を見た時は、えっ!と思わず声が出た。
マニアックな番組だけに、タモリ倶楽部マニアも日本中に沢山いるだろう。未だ出ていないDVDの発売はどうなのか。切に願う。
けど今の若い子は観ないんだろうな。
番組終了でふと思い出したのが、かつて日本テレビ系で放送していた『BLT』というバラエティ番組だ。
当時まだ地元静岡で学生だったが、何となく面白いなぁというくらいの感覚で観ていた。
斬新で面白い企画をユルくやっていた記憶はあるが、明確には覚えていない。
しかし、その番組の最終回はVHSに録画しており何度か観た為よく覚えているし、もしかしたらバラエティ史上最高にカッコ良い最終回かもしれない。
最終回の頃には元々島田紳助と大竹まことの司会だったのだが、大竹まことと板尾創路、東野幸治に代わっていた。
その最終回の番組内容はなんと、最終回の番組内容のリハーサルを流し続けるのだ。
スタジオで大竹まことが台本を持ちながら進行の確認をしているが、そこに板尾と東野の姿はなく、遅刻をしている。何だよあいつらは〜と言いながら、遅れている2人の代わりをスタッフが務め確認を続けていく。
やがて遅れてきた2人が合流するのだが、大竹まことはしっかりスーツを着てるのに対し、2人は私服。適当に流しながら、3人で確認作業が続く。
東野は途中その場からサッと居なくなったと思ったら、脇にある灰皿に向かいタバコに火をつける。そこでタバコを吸いながら、自分のセリフの時にまた戻り、終わったらまた灰皿の所に戻りを繰り返しながらリハーサルを続ける。
オープニングトークのリハーサル終了後、今度はスタジオにBLTファンの素人を呼び、『私にとってのBLT』みたいな作文を読ませるコーナーのリハーサル。
この辺りでスタッフの段取りが悪かったらしく、当時恐らく裏方の木村祐一が出てきて、「お前らちゃんとしとけコラ!!」と怒鳴り散らす。まぁまぁ、と大竹まことが宥める。
3人くらいの素人が実際に作ってきた作文を順番にマイクに向かって喋るのだが、ある男性のくだりで大竹まことが軽いイジリのつもりで放った掌底が見事にヒットし、掛けていたメガネも破壊してしまう。うわわわ、と苦笑いの東野の表情をカメラは捉えていた。その男性もオロオロしながら大丈夫ですと言い、大竹まこともハイ、オッケーです!の後に「ごめんね」と謝った。
別の男性の時、番組の総括みたいな見事な感想文を披露しスタッフからも笑いが起こり、思わず木村が出てきて「え、これ本当にあなたが書いたの?」と内容を絶賛されていた。
そんな感じでナレーションもテロップもなくリハーサルをひたすら流し続け、いよいよ本番になる。
司会の3人がしっかりした衣装に着替え、番組スタート。
「BLT最終回、始まります」
ここでブラックアウト。BLT ENDの文字が映し出される。
こんなカッコいい構成は後にも先にもあっただろうか。
所々記憶違いはあるかもしれないが、当時「何だろうぁ、これ」と不思議な気持ちで観ていて、最後に「始まります」といった後の終わり方には痺れた。
最終的に、収録したであろう本番映像を見せないカッコ良さ。
今観ても斬新だ。
もうずいぶん前から、「テレビは終わった」「テレビつまらない」「テレビは見ない」「昔の方が面白かった」と言われている昨今。
どうなんだろうか。
色々な要因があるとは思うが、もしこのまま昔のテレビを知らない人達がやがてテレビを作っていく中心人物となっていくのなら、その先は少し暗いのかもしれない。
「テレビが面白かった頃」と言われる時期(あの頃はテレビしかなかった)に多感な青年期だった年代のおじさんには、そう思えてしまう。